G大阪の選手が新スタで抱く決意。宇佐美が覚えた“既視感”は夢舞台誕生の証左か

ガンバ大阪の新たな本拠地「市立吹田サッカースタジアム」が、ついにこけら落としを迎えた。名古屋グランパスを迎えた14日のプレシーズンマッチで3対1の快勝を収め、新たな勝者の歴史をスタートさせた選手たちに、日本サッカー界で初めてクラブ主導で建設された、夢と魅力が凝縮されたサッカー専用スタジアムをホームとして戦っていく意義を聞いた。

2016年02月16日(Tue)11時30分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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歓声が反響し、威圧感を強める構造

ガンバ大阪のGK東口順昭
ガンバ大阪のGK東口順昭【写真:Getty Images】

 こけら落としとなる一戦のキックオフの笛が鳴り響いた直後に、守護神の東口順昭は違和感を覚えた。時間が経過していくごとに、それは間もなく始まる新シーズンへ向けた課題と化していく。

「キーパーとしては声の通り具合などを意識していましたけど、まったく通らなかったですね。万博のときは声でポジションを修正していたのに、それができないという難しさがありました」

 ゴール裏のスタンドとゴールラインまでの距離が10m。メイン及びバックスタンドとタッチラインまでの距離に至っては7m。いずれもFIFA(国際サッカー連盟)が定める下限の距離で接しているサッカー専用のピッチには、声の塊がスタンドを覆う屋根に反響して、まるでシャワーのように降り注いでくる。

 さらには、メインスタンドから見て左側、ガンバのホーム側となるゴール裏だけは他のスタンドと異なる構造となっている。3層で形成されている点は同じだが、メイン、バック、そしてアウェー側のゴール裏の2層部分がVIPエリアとなって上下を分断しているのに対し、ホームのゴール裏にはそれがない。

 3層すべてがスタンドとなり、折り重なるような形で急傾斜のスロープを形成している。一体となって応援したいと望むサポーターの意見を取り入れて、当初の設計を変更したホームのゴール裏は、ガンバの野呂輝久社長によれば「すべて埋まると1万人が入る」という。

 市立吹田サッカースタジアムの収容人員は約4万人。実に全体の4分の1が集結するホームのゴール裏が作り出す、青一色に染められた光景は壮観であり、相手チームの神経をすり減らした。

 2010年シーズンまでガンバに在籍。ヨーロッパから復帰した後はジュビロ磐田、サガン鳥栖、ヴィッセル神戸、そして名古屋グランパスと渡り歩いてきたDF安田理大は、ボールをもつたびにガンバのゴール裏に陣取ったサポーターが繰り出すブーイングの標的となった。

 鮮明に聞こえてくる罵声は努めて聞かないようにしたが、それでもメンタル面で少なからず影響があったと、安田は試合後にこんな言葉を残している。

「ピッチのサイズは変わらないのに、狭くなったような気がしたというか。威圧感というものもあった」

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