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Jリーグ 8年前

【英国人の視点】鹿島を優勝に導いたもの。強固な守備陣と崩れぬ土台

text by ショーン・キャロル photo by Shinya Tanaka , Getty Images

鹿島が力を継続できる理由とは何か?

 2-0の勝利を収めた土曜日のアビスパ戦もそういう試合の1つだったが、昌子の代役を務めたブラジル人CBからは十分な集中力と自信が感じられた。アントラーズがやや落ち着かない様子だった試合序盤には危険なボールをうまくカバーしていたし、フィジカルの強い同胞ウェリントンを終始抑え続けていた。

「ナーバスになっていたわけではないですが、相手が最初から攻めてくること、単に引いて待ち構えるだけでなく前からプレスをかけていく必要もあることは分かっていました」と山本は試合後に語った。

「実際にその通りになり、スタートは少し難しい試合になりましたが、徐々に試合の流れをコントロールできるようになってきました。先制してからは完全に自分たちのペースでやれたと思います」

 その山本が27分に先制ヘッドを決めたことでホームチームは落ち着いてプレーできるようになり、アビスパの勢いを削ぐことができた。鹿島の変わらない力については、柴崎岳も次のように考えを述べた。

「試合の中には、うまくいく時間帯もあればいかない時間帯もあります。そういう難しい時間帯にこそ、僕らには立ち戻るべきスタイルがあって、何をするべきなのか全員が理解しています。その事実に全員が気付いているからこそ、こういう結果を続けてくることができたんだと思います」

「特に、失点がすごく少ないという部分があります。チーム全体として、一緒に守るという意識が強まっています。良い守備を出発点とすれば良い攻撃を組み立てられることは間違いないと思います。今はそういう面がうまくやれていますが、今後はさらに正確性を高めていきたいですね。セカンドステージに入っても今の連勝を続けていける力はあると思います」

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