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香川真司 8年前

今季の香川真司は“どっしり重たい”。ドルト躍進の鍵握るトップ下の“前へ行く”力

text by 本田千尋 photo by Getty Images

新参者も合流。混乱期にあるBVB

 キッツビュールの短期合宿には、オーバメヤン、カストロ、香川真司ら、昨季からの主力組の一部と、新規獲得選手はデンベレ、ローデ、メリーノの3選手が参加した。人員不足はU-23、U-19の選手で補っている。

 その他の新規獲得選手スペイン代表バルトラ、トルコ代表モア、ポルトガル代表ゲレイロを含むドイツ代表バイグル、スイス代表ビュルキなどEURO組は、まだ休暇中である。

 このようにメンバーが揃っていないだけでなく、各個人のコンディションにもバラツキがある。オーバメヤン、デンベレ、ローデ、香川らザンクトパウリ戦の前半に出場したメンバーは、アグレッシブなプレーを見せた。しかし先月に前所属のオサスナで昇格プレーオフを戦ったためなのか、メリーノは、まだまだ動きが重い。

 このような状況で互いのプレーを理解し連係を深めていくには、やはり「少し時間が必要」ということになる。ちょうど学校や会社の4月のような、ちょっとした混乱期にドルトムントはあるのだ。

 だからこそ“昨季との変わらなさ”は、行き先を見失わないために、重要な拠り所となるだろう。そもそもメンバーが揃っていない中で、「創造力を高め、何か新しい解決策を見つける」にも限界がある。まずはしっかりとデンベレ、ローデ、メリーノら“新参者”にも、ドルトムントの基本的なコンセプトを浸透させる必要がある。

 拠って立つ場所としての“昨季との変わらなさ”は、FCザンクトパウリ戦と1860ミュンヘン戦の2つのテストマッチにも見ることができた。

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