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「クラブの延長線上に代表がある」。岡崎慎司が語る自らに足りない“仕掛ける”意識

text by 元川悦子 photo by Ryota Harada

代表とクラブ。共通する課題とは?

 マインツでは左右のサイドや1トップなど複数ポジションを任されることが多く、日本代表と役割が必ずしも重ならない部分がある。立てに蹴り出す傾向の強いマインツとボールをつなぎながら丁寧に組み立てる日本代表のサッカーとはスタイルも異なる。そういう中で結果を出すためにも、まずは頭をしっかりと切り替えることが肝要だ。

「マインツで外に入る時は仕掛けが必要。前を向いてパスを出したり、ボールを運ぶような意識でやらないといけないと思っています。1トップの時は足元でもらうんじゃなくて、裏に抜ける動きが求められています。

 今のチームは出しどころを探している感じがすごく見えるし、足元で受けても次にもらう余裕もない。だから裏に抜けて時間作って、相手を下げるみたいなプレーの方がいい。イメージ的には(佐藤)寿人さんみたいな1トップですね。

 僕はセカンドストライカーみたいなタイプなんでそういうプレーは難しいけど、抜け方を工夫しないと。自分からもどんどん要求して得意な形に呼びこまないと活躍できないし、得点も奪えないと思います。

 ただ、日本代表へ行けばスタイルもやり方も変わる。自分がサイドで使われるなら、足元で受ける回数も増えるだろうし、そこでは仕掛けるっていう今の課題にチャレンジしていきたいですね。やっぱりクラブの延長線上に代表の試合がある。1試合1試合を大事にして、自分のストロングポイントを伸ばしていきたいと思います」

 10月2連戦の直後には欧州王者、バイエルン・ミュンヘンとの決戦が控えている。リーグ7試合無得点・チームの5戦未勝利という苦しい状況から抜け出し、大一番で光明を見出すためにも、岡崎はセルビア・ベラルーシとの2連戦でプレーの幅を広げつつ、ゴールという明確な結果を残す必要がある。

 今回の代表シリーズは浮上のきっかけをつかみたい彼にとって極めて重要な戦いになる。

【了】

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