リアルな数字『3.5倍』にまでなった解任オッズ。モイーズ監督はなぜマンUを“常勝”気流に乗せられないのか?

マンチェスター・ユナイテッドが不振だ。ホームで2連敗、らしくない試合が続いている。選手もスタイルも変わらない、とすれば原因はモイーズ監督にあるのではないだろうか。圧倒的な強さを誇った前監督時代から何が違うのか?

2013年12月10日(Tue)11時41分配信

シリーズ:フットボール母国の神髄
text by 森昌利 photo Kazhito Yamada / Kaz Photography
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エヴァートン・サポーターの咆哮

『Are you watching! Are you watching! Are you watching DAVID MOYES! Are you watching DAVID MOYES!!』
 
 12月4日の夜午後9時半頃、オールド・トラフォードがわずか2,000人ほどのエヴァートン・サポーターのチャントに飲み込まれていた。

 後半41分、左SBのオビエドが決勝弾を決めた瞬間、約80キロ西に位置する港湾都市から駆けつけた青いサポーター達が大揺れに揺れた。そして前述の「見ているかディヴィット・モイーズ!」というチャントを巻き起こした。それはまさしく“咆哮”と呼ぶにふさわしい、獣の勝どきを思わせる大音響だった。

 モイーズは、マンチェスター・ユナイテッドという大クラブに誘われると、なんの躊躇も見せず、11年間も監督を勤めていたエヴァートンを去った。

 その態度に、80年代には黄金時代を築き、今も“ビッグクラブ”の自負があるエヴァートン・サポーターは傷ついた。

 しかもモイーズは、マンチェスター・ユナイテッド監督就任後すかさず、チームの要というべき存在に成長したベルギー代表MFマルアン・フェライニと、最近ではチェルシーのアシュレー・コールからイングランド代表左SBのポジションを奪い取りつつあるレイトン・ベインズを引き抜こうとした。

 エヴァートンのビル・ケンライト会長が徹底的に抵抗したため、ベインズは残った。しかし、もじゃもじゃ頭の長身MFフェライニはマンチェスターへ移住した。

 オールド・トラフォードでは21年ぶりだったというリーグ戦勝利は、モイーズに裏切られた思いで一杯だったエヴァートン・サポーターの溜飲を下げた。

 ゴールが決まった瞬間から、ロスタイムの4分を含めて約8分間、「見ているかモイーズ」と歌い続けたファンは、試合終了のホイッスルを聞くと、「You are getting saked in the morning!(明日の朝には解任だ!)」と、チャントの文句を一斉に変えた。

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