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日本代表 10年前

“4番”強奪、こだわる王道の戦い方、チームへの苦言。今振り返る、本田圭佑の言葉

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「低くなってしまうのは個々の力がまだまだ低いということ」

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長期間のブランクを感じさせないプレーを見せた本田【写真:Getty Images】

 試合では後半29分までプレーしたが、長期間のブランクを感じさせない動きを披露した。本人は「僕の知ってる日本代表はボールを回す位置が低いから、もうちょっと高いところで横パスした方がいい。低くなってしまうのは個々の力がまだまだ低いということ。

 結局、相手のプレッシャーが弱いところでしか回せない。日本はスペインみたいなサッカーを追ってるのかもしれないけど、スペインとの明らかな違いはそこかなと。ボールの回し方のパターンが少なすぎる」とチーム全体の課題を口にしていたが、本田自身の意識はむしろケガをする前より高くなったようだった。

 迎えた6月3日の最終予選初戦・オマーン戦。彼はいきなりゴールという形で絶大な存在感を示す。長友佑都の絶妙のクロスに反応した本田は左足のインサイドボレーでゴール右隅に先制点を叩き込む。

 ここから日本は一気に勢いに乗り、前田、岡崎慎司が追加点を挙げて3-0で快勝。重圧のかかる第一歩を最高の形で踏み出した。

「早い時間帯に取れたのは大きかったですね。僕自身にとっても大きかったですし、チームにとっても少し力を抜くことができたんじゃないかと思います。今日はノッキングというか、ワンテンポ遅れるケースが何度か見られた。

 それが全部だったわけじゃないけど、僕の感覚としては初戦ならではの固さかなと。判断とか動く場所とか微妙にいつもと違ったりしたのも、そのせいかなと。僕自身も固さは割とありましたから」と本田自身もプレッシャーから解き放たれたかのように饒舌に喋った。

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