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日本代表 10年前

“4番”強奪、こだわる王道の戦い方、チームへの苦言。今振り返る、本田圭佑の言葉

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「臆することなく日本らしい戦い方でやっていけばいいと思います」

「(チームの得点のバリエーションが増えた?)その理由はシンプルで、海外でプレーしてるやつが増えたこと。これに尽きると思います。海外は今までの日本みたいなパスのつなぎはないけど、タテのスピードはホントぴか一。

 そういうところでより揉まれてるってことが大きい。ヤットさん(遠藤保仁)とマコ(長谷部誠)がもともと中盤やってたけど、それプラス、海外でやってる選手が前線を固める形になって、ポゼッションするところとカウンターで行くところの使い分けはまだまだですけど、意識するようにはなってるかなとは思います」と彼は自信を深めた。

 自らの大活躍で2連勝し、3連戦で最も重要なオーストラリア・ブリスベンに乗り込んだ本田。ヨルダン戦でおる吉田麻也が負傷離脱するアクシデントも発生し、チームとして不安要素がないわけではなかったが、アジアカップ決勝で勝ち切った相手に負けるわけにはいかなかった。

「相手は瞬間的なスピードもありますし、そこにパワーが加わってダイナミックさもあるんで、ポーンと入ったボールに対して気を付けないと。今回はアウェイということで、ピッチもよくないですし、改めて日本が挑戦しないといけない面もある。臆することなく日本らしい戦い方でやっていけばいいと思います」と彼は改めて気合いを入れた。

 フィジカルに優れるオーストラリアが序盤から次々と蹴りこんできたこの試合。日本は吉田の代わりに入った栗原と今野泰幸の両センターバックを軸に体を張って何とか跳ね返す。だが攻めの方は相手を攻略しきれず0-0で前半終了。

 そして後半立ち上がり早々に相手に退場者が出て日本は優位に立ち、後半20分の先制点につなげる。それも本田の意外性のあるプレーが発端だった。長谷部のショートコーナーを受けた背番号4がゴールラインぎりぎりのところまでえぐって中へ折り返した。これをファーで栗原が合わせてゴール。待望の1点を手に入れる。

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