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日本代表 10年前

“4番”強奪、こだわる王道の戦い方、チームへの苦言。今振り返る、本田圭佑の言葉

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「戦い方を変えるという考え方は僕にはないです」

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オマーン、ヨルダンと連勝した日本代表【写真:Getty Images】

 ザックジャパン発足後はメディア対応の頻度が激減し、何日かに1度しか対応しないことが多かったが、この時ばかりは彼も気分がよかったのだろう。オマーン戦翌日にも堂々と質問に答え「(次のヨルダン戦に向けて?)守備をみんなでチームとして組織で頑張るイメージはあります。

(アジアカップで苦労した?)やってみないと分からないですけど、戦い方を変えるという考え方は僕にはないです。アジアカップの続きじゃないですけど、僕個人的としてはあの時と同じような戦い方で打ちのめすのが王道かなと。

 非常に厳しい現実が待っているかもしれないけど、自分たちが納得した形で、結果がどう転ぼうと(3戦目の)オーストラリアに行くべきだと考えてます」と強気の姿勢を前面に押し出した。

 この翌日に香川のマンチェスター・ユナイテッド移籍が本決まりになり、本田は「真司は世界のトップクラブでプレーするのにふさわしいし、日本人として誇らしいが、僕もビッグクラブでプレーするのにふさわしいと自覚しています」と野心をむき出しにした。

 後輩のステップアップに、世界トップを狙う男の意欲は一層掻き立てられたに違いない。そんな強い気持ちが次のヨルダン戦でのハットトリックにつながる。1年半前のアジアカップでギリギリまで追い込まれたヨルダン相手に日本は6-0で圧勝。本田はその原動力となる。

「(相手を打ちのめせた?)ちょっとできすぎな部分もありますけど。早い時間帯にセットプレーから遼一君がしっかり1点目を決めたことで、自分たちのペースに持って行けたってことが大差になった要因かなと感じてます。

(代表戦初のハットトリック?)そうですね。取れるだけとりたいって考えてましたし、3点とも味方のプレーに助けられた感はある。結果的に3点取れてよかったです」

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