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日本代表 10年前

【コメント全文掲載】日本代表、苦戦する香川、そして自身のミランでの不遇。本田圭佑が語った“乗り越えるべき壁”

text by 元川悦子 photo by Asuka Kudo / Football Channel

「真司が活躍してもらわないとW杯で結果を出せないだけの話」

「まあ、6点とか7点8点取れればいいんでしょうけど、普通に考えれば4点入ればサッカーの戦い方を変えてもいい。ただ、5点目6点目を取る必要がないって言っているわけではないし、実際に取りに行こうとしていたけど、それがいいところもあれば悪い場面もあった。

 どういうパスをするかとかは個人戦術だと思うんですよね。もしかするとみんながキレイにやろうとしすぎていたのが、5点目を取れなかった理由かなと思います。そういう意味で今回は非常に難しい試合だった。

 みんなが自分をアピールしたりすると点は入らないんですよね。それぞれの仕事に集中した時が一番シンプルに点が取れる。ちょっとしたことなんですけど、誰かが仮にワンタッチ持っただけで流れが変わるし、相手も戻れるし。そういうこともありますからね」と、本田は4-2というスコアに終わったゲームを攻守両面から淡々と振り返った。

 凄まじいスタートダッシュを見せながら後半失速したこの試合の中で、彼は普段は自らが蹴っているPKを香川に譲る場面があった。これまで強い自己主張を貫いてきた本田にしてみれば、かなり珍しい場面だった。

「真司がファウルした瞬間、俺の方を見て『行かして』って言っていたから、俺は察したよね。俺も取りたかったけど、真司のあのシーンに関しては、俺よりも蹴りたい気持ちが勝っていたのかもしれないですね。まあ、俺はその後にチャンスあったわけですから、その時に決めないことの方が問題でしょうね。

(苦しんでいる真司にきっかけを与えたかった?)そんなきれいごとじゃないですよ。あくまで真司が活躍してもらわないとW杯で結果を出せないだけの話。彼が乗ることで、俺に利益がもたらされる。そういうことです」と本田は突き放すように語ったが、それも彼なりの香川への愛情だろう。そういう面倒見のいい兄貴的な一面を持っているのが、本田の本田たるゆえんである。

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