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日本代表 10年前

苦境の中でも発揮された香川真司の真骨頂。PK奪取、アシストを生んだ“技術力”とは?

text by 河治良幸 photo by Asuka Kudo / Football Channel

「1試合1試合、W杯を視野に入れながら戦っていきたい」

苦境の中でも発揮された香川真司の真骨頂。PK奪取、アシストを生んだ“技術力”とは?
香川の強い意志はニュージーランド戦である程度、プレーとして表れた【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 ただ、後半の早い内から明らかにオフ・ザ・ボールの運動量が減り、プレスが甘くなったところから同サイドを突破される場面が目立った。それでも途中出場の遠藤を起点に左サイドでボールを持てば縦志向のドリブルを繰り出し、後半25分には本田とのポジションチェンジで裏を狙いに行った。

「自分の持っているものを最初から出すっていうのは意識してやっていました」という香川は後半34分に齋藤学と交替。実際、「後半、体力的に少し落ちていた」と認める。

 やはり長い間、90分間プレーしていない影響は見られたが、スタートから精力的にボールを追い、仕掛け、動き出していた結果でもある。何よりポジティブなのは、厳しい境遇の中でも、精神的に折れていないことをプレーで証明したことだろう。

「こんなに大きい壁っていうか、こういう経験はなかなかできない。ホントにそういうことを乗り越えて成長してくもんだと思いますし、今はその壁をポジティブに捉えている。それがW杯イヤーの年にあるっていうのは何らかの意味でもあるんで、それをいい話に変えるには僕が結果を残すしかない」

 香川の強い意志はニュージーランド戦である程度、プレーとして表れた。ただし、本大会を目指す上ではここから上げていく必要はあるだろう。

「1試合1試合、W杯を視野に入れながら戦っていきたいと思ってるし、自分の全てをぶつけてシーズン終了まで頑張っていきたい」と語る香川の戦いは再びプレミアリーグに場所を移し、5月まで続いていく。

【了】

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