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優勝候補ドイツに残る不安、試行錯誤の日々。解決策はペップ・バイエルンへの模倣か

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ゼロトップという選択。あの男の影響か

優勝候補ドイツに残る不安、試行錯誤の日々。解決策はペップ・バイエルンへの模倣か
ヨアヒム・レーブ監督【写真:Getty Images】

 つまるところ現時点でレーブは、ワントップを軸に据えたサッカーか、CFに依存しないサッカーか、いずれかを選択する分かれ道に立っている。立っている、というよりは、立たされているといったほうが正確かもしれない。ただでさえ国籍に縛りがあるのに、人材不足が拍車をかけてくる。

 2014年2月26日付のSportBild誌上のインタビューで「攻撃面でわずかに不安がある。当然、クローゼとゴメスがW杯を良い状態で迎えることを望んでいるよ」と語るレーブは、ミッドフィールドの攻撃陣を単に攻撃のポジションに留まらず、チーム全体のスタイルに関わるものとする。そして、エジル、クロース、ミュラー、ゲッツェの名前を挙げている。

 また同インタビュー内で「エジルは我々にとって鍵となるプレイヤーである」とし、チリ戦の後半からはクローゼに代えてシュールレを投入、エジルをゼロトップに据えたように、レーブの意向は後者に傾きつつあるようだ。

 そして何よりペップ・バイエルンの存在がある。

 2014年3月6日付のKicker誌の巻頭コラムでは90年W杯イタリア大会優勝メンバーに名を連ねた元西ドイツ代表オラフ・トーンが、ペップがバイエルンにてポゼッションの観点からラームをMFとして起用したことを引き合いに出し、「その成功した試みはブラジルでの代表チームにとって有益となる」としている。

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