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日本代表 10年前

大迫勇也はザックに何を求められていたのか?「DFとボランチの距離を広げるために動き続けていた」

ニュージーランド戦、1トップで先発出場した大迫勇也。ゴールはならず、評価を下げたと思われた。だが、彼にはザッケローニ監督から命じられたタスクがあった。

text by 元川悦子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Ryota Harada

「日本とは雰囲気もサッカーも全然違う」

 今年1月にドイツ・ブンデスリーガ2部・1860ミュンヘンへ移籍し、後半戦再開となった2月10日のフォルトゥナ・デュッセルドルフ戦でいきなりゴールを挙げるという華々しい新天地デビューを飾った大迫勇也。3試合目となる2月22日のパダーボルン戦でも早々と2点目を奪うなど、彼は異国で順調な一歩を踏み出した。

「日本とは雰囲気もサッカーも全然違う。こっちは全てが重いイメージですね。背負った時に相手も重いし、そういうのに慣れてボールに触る回数を増やして、仕事の量を多くしていけば、もっと余裕を持ってやれるのかなと。ここでやるのがすごく楽しみになったし、もっともっと成長できるなと実感しました」と本人も目を輝かせながら、新たな意欲を口にしていた。

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NZ戦でスタメン起用された大迫【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 日本代表のザッケローニ監督も急激な進化を見せる若きFWに着目。3月5日のニュージーランド戦に予定通り招集した。1トップ候補は昨年後半同様、大迫と柿谷曜一朗の2人だったが、柿谷が合宿直前になって発熱で辞退。代わって豊田陽平が追加招集されたが、序列的にはやはり大迫の方が上。案の定、試合当日は大迫がスタメンに抜擢された。

「これまでとやることは基本的に変わらないので、それをしっかりやっていくことが大事だと思います。コンビネーションの部分は周りに合わせる必要がある。その中でゴールを狙っていきたいです」と本人はまずはチームコンセプトを第一に考え、そのうえで得点を取りに行くことを頭に叩き込んだ。

 前半早々に4点リードと、この日の日本は最高の入りを見せた。大迫はこの4点に直接的には絡まなかったが、相手守備陣のスペースを空けるという地道な仕事を遂行していた。

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