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日本代表 10年前

大迫、森重、清武、酒井宏樹。ザックジャパン“準レギュラー組”、それぞれの課題と主力との差

text by 河治良幸 photo by Getty Images

酒井宏樹、内田との差はバランス感覚

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酒井宏樹【写真:Getty Images】

 昨年のベルギー戦では正確なクロスで柿谷のヘッドでの得点をアシストした酒井宏。NZ戦でも高いポジションからタイミング良く駆け上がり、クロスに持ち込むイメージをしっかり持ってプレーしていた。

 日本は基本的に左サイドからの攻撃が多くなるが、長めの距離を爆発的に駆け上がり、相手ボールになれば素早く戻れる酒井宏は左の長友が2回上がったら1回ぐらいの頻度で攻撃参加できる。

 NZ戦でポジティブだったのは彼のスペースに通す様なクロスの軌道に対し、味方が待つのではなく走り込んで入っていく意識を高めていること。これは昨年10月まであまり無かった部分だ。「上げる時に入ってきている雰囲気は感じる」と酒井宏が語る状況が続けば、相手チームに屈強なDFが揃う本大会でも彼のクロスから得点が入る可能性は低くないだろう。

 一方で守備に関しては、NZ戦では「自分が疲れて息が整っていない状況なのに、チームとしてテンションが高かったのに合わせ、前に行ってしまった」と反省するが、そうした状況判断や周囲とのバランスは内田ほど安定していない現状だ。

 ロングボールや反対側からのクロスを跳ね返せる183cmの高さとフィジカルの強さは、ウィングに長身FWのサマラスを擁するギリシャとの試合などで有効になるかもしれないが、ポジショニングのミスが出てしまえば高さも強さも無く、決定的なピンチを招いてしまう。

 幸いにも、ハノーファーでは新加入のライトラルからポジションを奪い返した。ここから実戦経験を磨き、いざ日本代表に合流すればCBやボランチとさらに連携を磨き、その中での状況判断の精度を高めれば、序列を変えることも可能だ。

【了】

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