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日本代表 10年前

大迫、森重、清武、酒井宏樹。ザックジャパン“準レギュラー組”、それぞれの課題と主力との差

3月5日に行われたニュージーランド戦で日本は4-2と勝利。後半は2失点したが、前半の17分間で4得点したこともあり、真剣勝負として試合をコントロールしにくかった。言い換えればチームの課題を見極めるには少々、無理があったと言える。ただし、選手の評価として有効であることは確かだ。今回は“準主力”から“主力”を目指す4人の選手にスポットを当て、現在地と課題を考察してみた。

text by 河治良幸 photo by Getty Images

大迫勇也、増やしたい2列目の選手との連動のバリエーション

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大迫勇也【写真:Getty Images】

 NZ戦は柿谷曜一朗の病欠もあり、1トップで先発。「監督の指示で相手のDFとボランチの距離を広げる様にする作業をし続けた」と語る通り、日本のサイド攻撃を機能させる戦術的な役割は果たしたが、直接的にラストパスを引き出し、フィニッシュに持ち込むプレーは限定された。

 最初の17分間で4得点が入り、前半30分過ぎからは全体が間延びしたことで2列目との距離に苦しんだ部分もある。後半に向けては本田と話し合って中央で関係を作ったが、ワイドの選手と絡んでのチャンスはほとんど作れなくなった。

「もっと中の動きの質を高めればもらえるようになると思う」と大迫は語るが、サイドを有効に使いながらもタイミング良く縦パスや中へのパスを引き出し、2列目の選手と連動するバリエーションを増やしたい。

 2列目との絡みが限定的になると結局、シュートチャンスも点で合わせる様な形が大半になってくる。NZ戦では酒井宏のクロスに惜しくも合わない場面があり、「そこはちょっとのズレだけど合わせれば点につながる」とポジティブだが、バイタルでの反転シュートやDFのギャップを突いてスルーパスを受けて流し込む形がメインとしてあり、クロスに合わせる形がバリエーションとして出れば、より厳しい守備を相手にしても得点の確率は高くなるはずだ。

 またNZ戦では課題として浮きぼりにならなかったが、1得点1アシストの活躍を見せた昨年のオランダ戦も、ことポストプレーに関しては相手DFの強靭なフィジカルに対して、本人の思う様に行かない部分があった。そこは挑戦の場に選んだドイツで磨けるところでもある。

 代表戦のわずか2日後に5試合で3得点目となるゴールを決めたことも頼もしいが、本大会に向けては1トップとして攻撃に深みを与えながら、いかに2列目と絡んで得意なフィニッシュの形に持って行くことをさらに追求することが、更なる信頼を勝ち取るポイントだろう。

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