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CLアーセナル戦、前半45分はウォーミングアップ。“勝ち疲れ”のバイエルンが見せた余裕と気の弛み

text by 本田千尋 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

やや物足りなさはあるが、危なげなくベスト8へ

CLアーセナル戦、前半45分はウォーミングアップ。“勝ち疲れ”のバイエルンが見せた余裕と気の弛み
シュバインシュタイガーが冷静にゴールへと流し込む【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 後半に入ると、ようやくゲームは動き出す。55分、リベリーが左サイドを抉ってクロスを入れる。マンジュキッチがコシェルニを引き連れてスペースを空けた。空いたスペースに入ってきたシュバインシュタイガーがボールを受けて、冷静にゴールへと流し込む。

 しかしすぐさまアーセナルも反撃へと向かう。57分、ペナルティエリアの左隅でポドルスキがラームをかわして、角度のないところからゴールを突き刺す。エジルに代えて、精神的にフレッシュなロシツキーを投入されたアーセナルは、後半に入り勢いを増していた。それでもさらに追加点を挙げるには及ばず、結局1-1のドローのまま、時計の針は90分を回った。

 3月8日に行われた直近の公式戦、ブンデスリーガ第24節対ブレーメン戦で、バイエルンが6-1という圧巻のスコアを見せつけたばかりということもあってか、ドローのまま突入したアディショナルタイムはどこか物足りないものとして目に映る。

 しかしそもそもサッカーには大量得点を奪って勝たなくてはならない、というルールは存在しない。ペップ・サッカーにおける大量得点は、そのスタイルの結果に過ぎないのだ。

 アディショナルタイムに突入したあと、ペナルティエリア内でボールをキープし続けたロッベンをコシェルニが倒して、バイエルンはPKを獲得する。キッカーは89分にリベリーに代わって投入されたミュラーだ。

これでトータルスコアを4-1にするかと思いきや、ミュラーは決め損ねてしまう。あまり勢いのないグラウンダーのボールを真正面に蹴ってしまった。右に飛んだファビアンスキがかろうじて足に当てる。

 そして試合は終了し、トータルスコア3-1で、バイエルンが欧州CLのベスト8へと駒を進めた。

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