フットボールチャンネル

CLアーセナル戦、前半45分はウォーミングアップ。“勝ち疲れ”のバイエルンが見せた余裕と気の弛み

text by 本田千尋 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

若干の気の弛み、勝ち疲れか

 それにしてもミュラーのどこか気の抜けたPKや、ゴールを奪われる直前、ポドルスキに一見押し倒されたような格好となったラームは審判の笛が鳴らずともファウルと決め込んでしまったことなど、バイエルンにどことなく気の弛みのようなものが垣間見えたのも事実だ。ちょっとした勝ち疲れのようなものなのかもしれない。

 しかし指揮官が「我々は1stレグからのアドバンテージを楽しんだ。我々はとても聡明なやり方でプレーした。私はチームにとても満足している」と言うように、そんな綻びは些細なことに過ぎないのだろう。試合後のコメントでまた、ペップはこうも言う。

「バイエルンにベストイレブンは存在しない」

 要するにそのときどきで調子の良いものを使う、ということなのだそうだが、裏を返せばバイエルンは常に変化、進化していくという意味に取れなくもない。

 ペップ・バイエルンは今もなお、成熟の途上にあるのだ。

【了】

欧州サッカー批評9

『欧州サッカー批評9』
定価1208円

【特集】ペップ・バイエルンに死角なし。
■ペップ・バイエルン 3冠から異次元へ
11人のモンスター”と“カタルーニャから来た賢人”に注がれる途方もない畏敬の念
■[スペシャルインタビュー]
フランク・リベリー「絶対王者のエースが語る勝利への飽くなき欲望」
■バルサからの王位継承
最強チームを超えたその先にペップが見るもの
詳細はこちらから

関連リンク

欧州サッカー批評 SPECIAL ISSUE09

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top