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日本代表 10年前

クラブで不遇、苦境に立つ日本代表のWエース。香川真司と本田圭佑に活路はあるのか?

text by 植田路生 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

バラバラなミランの攻撃陣

クラブで不遇、苦境に立つ日本代表のWエース。香川真司と本田圭佑に活路はあるのか?
ミランはまさに混迷期にある【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 ところが、監督未経験のセードルフですぐに結果が上向くはずがなく、ミランはまさに混迷期にある。3人のトップ下を同時起用する4-2-3-1は今のところ機能していない。攻撃陣はエゴが強く、前線はつねに渋滞。

 新加入のターラブは突破力はあるものの、アトレティコ・マドリー戦などを見ればわかるように強豪相手だとあのドリブルは通用しない。カカは時折キレを見せるが、年齢的な問題があるのか全盛期とは程遠いプレーに終始することもある。

 救世主とならなければならない“10番”の本田は、右サイドではあまり活きていない。スピードが武器ではない本田はサイドを切り裂くようなことはできず、守備に負われている。

 そしてまた、バロテッリがアシストマンとして下りてくることが更なる混乱を生んでいる。彼が移動して空けたスペースは一体どうなるのか? 良かれと思った動きは完全に裏目に出ている。

 気になるのはエゴなプレーが多いにもかかわらず、全員が似た動きをしていることだ。裏へ抜け出したり、ディフェンスラインと駆け引きしたり、囮になるような選手はいない。日本代表では岡崎慎司がしている動きだが、それを同じ右だからといって本田に要求するのは酷というものだ。彼にはその適正がない。

 チームはバラバラ、そう言わざるを得ない。新監督は選手の特徴をまだ十分に掴んでおらず、手探り状態なのだろう。とはいえ、そうしているうちに順位はどんどん下がる。ダイレクトサッカーという“ある程度”通じるスタイルを持つユナイテッドの方がまだましと言えるのかもしれない。

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