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日本代表 10年前

W杯で勝ち抜くためにどう戦うべきか? グループ3戦の展望から考察する日本代表のテーマ

text by 西部謙司 photo by Kenzaburo Matsuoka

不向きではない前線からハメる守備

 日本はここまで築いてきたサッカーをW杯で問うことはできる。長所も弱点も比較的はっきりしている。ポイントは相手にボールを持たれた時にどう守るか。

 今回のW杯では、日本にかぎらず守備が大きなテーマになるような気がしている。近年のW杯は戦術的に先行しているCLの後追いだからだ。

 CLではバルセロナの天下がようやく終焉を迎えようとしている。対戦相手が卓越したパスワークを制限できるようになってきたからだ。バルセロナは依然として強いけれども、かつてのような優位性はなくなりつつある。後方の8人によるブロック守備では防げなかった“ティキ・タカ”も、10人が連動すればある程度は制御できるとわかってきた。

 日本が昨年のオランダ戦で実行したのは、大迫と本田から始まる計画的な守備だった。成果は半々というところだが、ディシプリンの高い日本には不向きではない。逆に前線の2人がまるで守らないベルギーは、個々の能力で日本を上回りながら3点を失って日本に敗れている。

 オランダ戦まで、日本は強豪相手に失点が止まらなかった。オランダ、ベルギーにも2失点しているので止まったとはいえないが、前線からハメ込む守備で多少のメドが立ちつつある。ここが良くなれば、日本は強豪相手でも勝てる可能性が残る。そこまでいけば、あとは時の運だ。夢も希望もある。

【了】

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