今夏に待つ、攻撃陣の再編

　香川復帰論はつまるところ、そのまま現BVBのウィーク・ポイントはトップ下であることを意味するのである。

　38分、シュメルツァーの左サイドからの折り返しに、ケールが飛び込みヘッドで同点弾を叩き込んだ。フッキにはグロスクロイツが戻って対応するなど、ドルトムントはゼニトのやり方に慣れてくる。しかしムヒタリヤンは68分に交代となった。

　代わって入ったヨジッチも、ドルトムントのトップ下として機能したとは言い難かった。ミッドフィールドの中央に位置するポジションということを考えれば、攻守の繋ぎ役としてより一層の高い能力が求められるところだ。

　もちろん今冬に加入したばかりということもあるが、ヨジッチもクロップの戦術を十全に遂行させることは出来なかった。74分、不用意なスライディング・タックルをヴィツェルに見舞い、イエローを貰う。

　トータルスコアでは5-4となったので準々決勝へと駒を進めることはできたが、結局ドルトムントは対ゼニト戦を1-2のスコアで敗戦を喫する。イエローの累積でレヴァンドフスキは次戦を欠場することとなるなど、どこか不安を残す結果となった。

　そしてレヴァンドフスキは今シーズン限りでドルトムントを去ることが既に決まっている（バイエルンへ移籍）。チームの支柱が変わるとなれば、夏にはトップ下も含めて攻撃陣は再編されることになるだろう。

　そのタイミングで現実的に香川が復帰するかは誰にも分からない。いずれにせよ香川の復帰を待ち望む声が消え去ったとき、ドルトムントはまた次のステージへと進むのである。

【了】

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