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長友佑都 10年前

長友の課題=チームの課題。日に日に増す要求、必要なのは90分間のハイパフォーマンス

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

長友が前半抑えられた理由

 ウディネーゼのグイドリン監督は、自陣の守備では徹底したマンマークをさせている。もちろん、マッツァーリ監督のサッカーを良く研究した上でだ。例えば左サイドでエルナネス、パラシオと長友が連係して攻める時、三者全てにマーカーが付き、パスコースが消されるといった具合だ。

 そして長友には、「リヒトシュタイナーの後継者」といわれるスイスU-21代表の新鋭シルバン・ウィドマーが付いた。ちょうど前半戦の対決で初の先発出場を果たしたこの若手は、最近めきめきと頭角を現し、ついにはセルビア代表のバスタが故障中に定位置を確保してしまった。

 そのウィドマーは長友に対しても、持ち前の身体能力を活かしてマッチアップしてきた。ミスマッチを狙って空中戦を仕掛け、長友が高いポジションを取っていればその裏を突きにかかる。ファン・ジェズスが前方にボールを出し、長友を走らせてくれば並走の末に回り込み、長友がパスを味方に渡してダッシュしようとすればそれにも付いて来た。

 長友が他の選手をパスで走らせようにも、出し手にはそれぞれマンマークが付き、イカルディ目がけてクサビのボールを出せばそれも徹底的に切られる。そういう状況の中で前半はプレーも不安定になった。

 仕掛けを回避する場面が多く、23分には自陣近くで相手二人を抜きに掛かったところボールを失い(ハイプレスでパスコースが消されていたせいでもあるが)、27分にようやく上げた左クロスも大きくファーへ。さらに後半の3分には、自陣の深い位置でウィドマーに詰められところを処理し損ない、ピンチを招きかけた。

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