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連載コラム 10年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。優勝しても批判、セレソンを左右する“フッチボウ・アルチ”の文化(その3)

シリーズ:W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール text by 田崎健太 photo by Getty Images , Sachiyuki Nishiyama

ウルグアイという呪縛

 ブラジルは準々決勝でペルーを4対2で破り、準決勝でウルグアイと対戦した。

「ウルグアイがこの大会で最も大変な試合だった。ブラジルにとってウルグアイは特別な相手なんだ。自国開催のW杯でブラジルはウルグアイに敗れた。どうしてもウルグアイには勝たなければならないというプレッシャーがあった」

 1950年、第4回のW杯がブラジルで開催された。ブラジルは決勝に進出し、リオ・デ・ジャネイロのマラカナンスタジアムでウルグアイと対戦した。下馬評では地元のブラジルが勝利すると見られていた。ところが、1対2で敗れた。これはマラカナンの悲劇と呼ばれている。

 この20年前の試合がブラジル代表を固くしていた。

「試合開始からディフェンスが落ち着かず先制された。前半の間にクロドアウドのゴールで追いついた。ハーフタイムに更衣室でザガロが、みんなに落ち着けと声を張り上げていたことを覚えているよ。そして後半ぼくたちは2点を挙げてウルグアイを破った」

 決勝の相手はイタリアだった――。

【次週に続く】

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