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引いて守る相手にも揺るがないペップの自信と陽動作戦。マンU戦の鍵握るバイエルンの「プランB」

text by 本田千尋 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Ryota Harada

ドイツで広がる緊張感。それでもバイエルンには「プランB」が存在する

引いて守る相手にも揺るがないペップの自信と陽動作戦。マンU戦の鍵握るバイエルンの「プランB」
Kicker誌は第2戦の先発予想の中に香川真司の名を挙げたが…【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 マンチェスターのアウェイで1-1のドローに終わった1stレグを、2014年4月3日付のルール地方の地元誌「RevierSport」は、「Manchester weckt bose Erinnerungen(マンチェスターは悪い回想録を呼び起こす)」との見出しで報じた。

「あれほど深く守るチームを相手にするのは簡単ではない」と、ベタ引きの相手を崩すのは難しいといったペップのコメントを引き合いに出し、試合の結果を受けてノイアーが「(2012年CL決勝の)チェルシー戦のようだ」と発したことや、同じく2012年の準決勝でFCバルセロナがチェルシーを相手に敗北を喫したことが例示されている。

 そして2014年4月7日付のKicker誌は、マンチェスター・ユナイテッドをミュンヘンの地に迎え撃つ一戦を「Riskantes Spiel(危険な試合)」として大きな見出しを付けた。

 Kicker誌もまた、2010年と2012年にペップ・グアルディオラはディフェンスの名手インテルとチェルシーによって王座を追いやられた、としてペップのバルサでの事例を引き合いに出している。

 しかし、Kicker誌はその記事の中で「バイエルンはバルセロナではない」とも伝えている。2012年のチェルシー戦でバルサが中央突破にこだわった事例を挙げながら、マンジュキッチの存在そのものを「プランB」とし、バルサにロッベン、リベリーはいなかった、とのことである。

 いずれにせよ、RevierSport誌もKicker誌もペップ・バイエルンのスタイルとしての危うさに緊張感を漲らせており、第1戦をドローに持ち込まれたにも関わらず、マンチェスター・ユナイテッド警戒論のようなものはやはり見当たらない。

 Kicker誌は第2戦の先発予想の中に香川真司の名を挙げたが、香川について見受けられるのも、依然としてその程度に留まっている。

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