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日本代表 10年前

ブラジル行きを諦めない――。W杯メンバー滑り込みへ、19歳・南野拓実が感じた手応えと課題

text by 元川悦子 photo by Asuka Kudo / Football Channel

「自分は攻撃の選手なんで、どこでもできるというのはプラス」

 迎えた8日。南野はようやくザックジャパンのピッチに立つことができた。この日は2グループに分かれた攻守の戦術確認からスタートし、徐々に難易度を上げて最終的に15分×2本のゲームを行った。

 彼は豊田陽平、工藤壮人、原口元気らと同組でプレー。1本目は豊田とタテ関係に並ぶトップ下に入り、工藤のゴールを見事にアシスト。柴崎岳からクサビを受けて鋭い反転からチャンスメークもしてみせる。

 2本目は原口と入れ替わって左MFでプレー。豊田にいいタイミングでスルーパスを出す場面もあった。得意のドリブルは影を潜めたが、多彩な攻撃センスは随所に光っていた。

「ゲームをやってみて? まだ何とも言えないですね。前を向いた時、少しは自分の思うようなプレーができたところもあったけど、もう1つゴールに向かう姿勢を見せたかった。もう一回前で関わることもできたと思うから、そこにもこだわっていきたいです。

 でもA代表でやってもあんまり緊張はしなかったし、ボールタッチの感覚もいつも通りできた。裏を抜ければ自分のイメージしたところにボールが出てくるし、やっていて楽しかったです。でも練習は明日しかないので、今日よりもっと積極的にそういう姿勢を見せられればいいかなと思います。

 トップ下でプレーしたのは久しぶりだった? パッと入っても、自分の感覚的にいつでもやれるところだとは感じていて、今日も自分なりにこなせたかなと思いますね。ただ、簡単にボールを失う場面もあったし、まだまだ質を高めていかないといけないとは感じてます。

 自分は攻撃の選手なんで、どこでもできるというのはプラスだと思う。左サイドに入ってもトップ下に入っても高いレベルでプレーし続けられるように、意識していきたいです」と南野は手応えと課題の両方を実感したようだ。

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