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日本代表 10年前

代表合宿で受けた強い刺激 雑草・川又堅碁はサプライズ招集を果たせるか?

text by 元川悦子 photo by Kenzaburo Matsuoka

2日間の練習で自分のやるべき仕事が明確に

 2日目にはゲーム形式の練習で1トップに入り、攻守の約束事を刷り込まれた。

「ボールもゴールも見せるポジショニング、身体の向きとかを監督からは強く言われました。半身でゴールが見えるようなポジショニングを取ることで前も向けるだろうし。そこはチームとは違うんですけど、すごくよかったですね。

 代表の中盤の選手はボールを受けた瞬間に前を向いてくれるんですよ。距離が近くても、狭いところでも前を向いてくれるから、それに合わせて自分がタイミングよく動き出すとボールが出てくる。相手のDFは2タッチ目でボールが出てくると出遅れる。いいパサーがいると楽しいですね。

 僕自身は、相手のディフェンスラインを下げさせるように、DFの間にポジションに取って、相手の背後をのぞくようなプレーを意識していました。ポストプレーはタイミングよく入ることができなかったと思っていますけど、そっちもできて、DFが食いついたら裏に抜けてっていうのもできれば、もっといい形で抜け出せれるし、自分が起点になって味方を使えると思います」と川又はわずか2日間の練習で、自分のやるべき仕事を明確にしたようだった。

 そして迎えた最終日の流通経済大との練習試合。後半から出場した彼は、トップ下の原口元気、左MFの南野拓実、右MFの石原直樹、ボランチの柴崎岳や高橋秀人らと息を合わせつつ、戦術をピッチで表現しながら自分の持ち味を出そうと試みた。

 立ち上がりから右サイドバック・塩谷司のクロスにドンぴしゃりのタイミングでボレーを放ったり、前線で起点を作って原口の決定機をお膳立てしたりと、存在感を示す。30分には新潟同期入団の鈴木大輔の折り返しに南野がつぶれたところに反応。ど真ん中からゴールを決めた。大学生相手になかなか均衡が破れなかったゲームだっただけに、川又の一撃は目を引いた。

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