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日本代表 10年前

予定通り“確認”できたキプロス戦。今後の注目は齋藤学。得意のドリブルが禁止になる可能性も

キプロス戦は強化ではなく調整と確認のための試合だった。選手起用も予定通り。この先の2試合でほぼすべての選手を使っていくだろう。注目は齋藤学。スーパーサブである彼をどこでどう使うのか?

text by 西部謙司 photo by Asuka Kudo / Football Channel

予定通りの選手起用。この試合にそれ以上の意味はない

 キプロスは仮想ギリシャとしては、かなり良い相手だったと思う。プレースタイルが似ているがギリシャほど強くもなく、ラフプレーもしない。この時期にやるスパーリングとしてはちょうど良かった。

 日本は予定した選手を予定した時間使い、それぞれの状態を確認できた。この時期の試合にそれ以上を求める必要はない。もはや「強化」のための試合でもなく、各選手のコンディション調整とチームとしての機能性を確認できれば十分である。

 負傷でしばらく実戦から遠ざかっていた内田篤人、吉田麻也、長谷部誠は45分間プレーして、さほどブランクを感じさせないプレーぶりだった。まずはひと安心である。とくに長谷部はきっちりと仕上げてきた印象だった。彼らと同じポジションの酒井宏樹、今野泰幸、遠藤保仁は当然ながら45分間のプレーにとどまった。

 フル出場したのは川島永嗣、森重真人、山口蛍、本田圭佑、香川真司の5人。こちらはそれぞれ意味合いが違う。森重と山口は経験を積ませるため、本田と香川は試合勘を戻すことが目的だとアルベルト・ザッケローニ監督は話していた。川島については交代枠が6人なので、そのぶんを他に使っただけだろう。

 約80分間プレーした長友佑都は唯一予定外の交代だったそうだ。本来なら酒井高徳が控えなのだが、負傷しているので伊野波雅彦が左サイドバックとして交代出場した。

 岡崎慎司が70分で交代したのは、清武弘嗣を20分使いたかったからに違いない。柿谷を58分まで引っぱったのはやや意外だった。大久保嘉人と半分ずつと予想していたが、こちらも森重、山口と同じで経験を積ませたかったからだろうか。

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