(1)青山&山口。“各駅停車”の解消とボール奪取に長けるも、山口の負担増
東アジアカップでメインとなったセットで、基本は山口が右、青山が左だがコスタリカ戦では逆のポジションをテストし、まずまずの機能性を見せた。
「自分はそれがあるから選ばれたと思っている」と青山が主張するのは縦にボールを付ける積極性だ。日本代表の中盤は細かいボール回しを得意とするが、ブロックを固めてくる相手に対しては横や後ろのパスが多くなり、周囲の動きも鈍る“各駅停車”がしばしば起こる。
キプロス戦の序盤はまさにそうだったが、常に厳しいところを狙える青山が入ると、その問題はほとんど解消される。横パスにしても相手の逆を取る意識が強いので、常に日本が前向きに仕掛けられる。コスタリカ戦の前半は激しい攻防になったが、青山のプレースタイルも大きく影響していたのだ。
積極的なパスはリスクと隣り合わせでもある。受け手と少しでもイメージやタイミングがずれると、中途半端な位置で相手にボールを取られ、危険なカウンターにつなげられやすい。
コスタリカ戦の山口はシンプルにショートパスを捌きながら、青山の縦パスがカットされた場合を想定してポジションを取り、ボールを持った選手と受ける選手を限定することを心掛けていた。
守備時に青山と山口が揃っている状況では、非常に素早いアプローチでボール保持者を挟み、直接ボールを奪って攻撃につなげる場面も見られた。中盤でボールを奪うことに関しては4人の組み合わせで最も高いだろう。一方で破られるリスクも高く、現状はどちらかというと山口の負担が大きい。