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勝機なし、無謀な戦いだったコロンビア戦。必然の完敗も、“日本らしさ”見せた試合は今後の試金石に

text by 西部謙司 photo by Getty Images

スタイルはどう作られる?

勝機なし、無謀な戦いだったコロンビア戦。必然の完敗も、“日本らしさ”見せた試合は今後の試金石に
他のスタイルを採っていたらもっと酷い結果が出たかもしれない【写真:Getty Images】

 グループリーグ突破のために、日本はコロンビアに無謀な戦いを挑まなければならない立場だった。守備的に戦う選択肢はなかった。ただ、1-4という結果は、ブラジルに0-4で敗れたときから、さして進歩がなかったことを表している。選手たちがしきりに言っていた「自分たちのサッカー」が実現しても、W杯で勝ち上がれる保証など何もなかったのだ。

 戦い方しだいでは、コロンビアに僅差で“負ける”ことはできると思う。しかし、それではいつまで経っても勝つ可能性は上がらない。今回の1-4をベースに、攻撃を放棄せずに失点をいかに減らすか。それが日本の採るべき方向性になるだろう。

 日本の目指す「自分たちのサッカー」、つまり日本のスタイルは、勝つための合理性の追求から形作られていく。今大会、スペインが早期敗退したが、彼らのスタイルが大きくブレることはないと思う。

 前回W杯優勝やユーロ連覇によって、そのスタイルに勝つための合理性があることはわかっているからだ。日本の場合はアジアでしか結果が出ていないので、現在のスタイルに合理性があるとは言い切れない。

 しかし、他のスタイルを採っていたらもっと酷い結果が出たかもしれない。要は、W杯を見据えた強化試合を増やしていかないと、合理性の検証は進まないと思われる。

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