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ハメスとクアドラード、2人のキーマンを封じられたコロンビア。相手の長所を潰したブラジルの強さが光るも、準決勝へ大きな不安

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

チアゴ・シウバとネイマールが次戦欠場へ。ドイツとの大一番へ不安残る

 ハメスは、ウイングが本職ながら昨シーズンのモナコでもトップ下で起用されており、今大会もグループリーグ3試合(日本戦は後半から出場)でトップ下として先発。さらに、流れの中で左ウイングでもプレーする時間帯もあり、決勝トーナメント1回戦ウルグアイ戦では左ウイングで先発していた。

 このブラジル戦でも左ウイングで先発する可能性もあったためか、ルイス・フェリペ・スコラーリ監督は、不安定なプレーで批判を浴びていた右サイドバックのダニエウ・アウベスに代えてマイコンを起用するなど周到に対策を打っていた印象だった。

 そのキーマン2人を封じられたコロンビアは、これまでのようなノビノビとしたプレーは影を潜めた。そして、上手くいかないことに悩みながらプレーしていたことは表情からも明らかだった。

 そんなコロンビアを尻目に、ブラジルは前半7分にチアゴ・シウバがCKから先制点。後半24分にはダビド・ルイスが見事なフリーキックを決めて2点目。その後、PKで失点するものの2-1で勝利。センターバックの2人がセットプレーで試合を決めた。

 ブラジルは、極限のプレッシャーの中で相手の長所を潰す戦略を完璧に実行。さすがの強さを見せつけてドイツの待つ準決勝へ駒を進めた。

 ただ、主将のチアゴ・シウバが後半19分にイエローカードを受けて次戦出場停止。準決勝からはそれまでの警告がリセットされるにも関わらず、GKのゴールキックに対してチャージしたことによる警告は不用意だったと言えるだろう。涙に続いて地元メディアやファンから批判される可能性もある。

 さらに、後半43分にはネイマールが腰を痛めて担架に乗ったまま医務室へ運ばれた。背番号10を付けて国民の期待を一身に背負っていたエースが大会を離脱となれば落胆は大きい。

 準決勝を戦うドイツは地元優勝に向けて最大の強敵と言っても過言ではない相手だけに主将とエースが不在では不安が残るが、これまで出番の少なかったダンテやエンリケ、ウィリアン、ベルナルジらの奮起に期待したい。

【了】

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