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言い訳できない2連敗。明確になったブラジル代表の立ち位置。卓越した手腕発揮したオランダ指揮官はマンUへ

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ファン・ハール監督の卓越した手腕。ユナイテッドをどう建て直すか

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先発起用に応えたワイナルドゥム【写真:Getty Images】

 対するオランダは、2試合連続の120分+PK戦を戦ったのち、中2日でこの試合を迎えた。しかも、優勝の望みが断たれたとあっては、気力も体力も回復させるのは容易ではなかったはずだ。

 それでも、ロッベンはキレのあるドリブルを見せ、トップスピードでは両チーム最高となる時速32.2kmを記録。マン・オブ・ザ・マッチに選出される活躍を見せた。

 さらに、守備陣はブラジルを完封。パフォーマンススコアでは、3人のセンターバックの右、デ・フライが両チームトップの54点を記録。中央のフラールも42点と高く評価された。

 また、トップ下での先発が発表されていたスナイデルが試合直前の練習で負傷し、急遽欠場となったことで、代わってトップ下に入ったワイナルドゥムも活躍。終了間際にチーム3点目を決めてパフォーマンススコアでも全体2位の44点を記録した。

 ただ、ここまで全試合にフル出場し、この試合でもチーム2点目となる初ゴールを決めた左ウイングバックのダレイ・ブリントが足を痛めて涙を見せながらピッチを退いたことは非常に残念でならない。

 負傷の具合はまだ分からないが、今大会で大きく株を上げ、ビッグクラブからの注目も集めている24歳だけに、軽傷であることを祈りたい。

 とはいえ、そのブリントに代わって投入されたヤンマートがワイナルドゥムの得点をアシスト。さらに、GKのフォルムも終了間際に投入されたことで23選手全員が試合に出場した。

 ファン・ハール監督は、この試合でチーム・マネジメント、マン・マネジメント双方に優れた手腕を持っていることを証明した。

 ファン・ハール監督は、約1ヵ月後にはプレミアリーグのピッチに立つ。マンチェスター・ユナイテッドをどのように建て直すのか、世界中から期待と注目を集めるだろう。

【了】

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