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【数字で振り返るW杯】運動量と技術を兼ね備えた“ハイブリッド”な選手はボスニア代表ベシッチ。ドイツを追われた若手が大舞台で花開く

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

No.1ハイブリッドはベシッチ。豊富な運動量と展開力を発揮

 そして、注目して欲しいのはパス成功本数で5位、走行距離で8位に入ったボスニア・ヘルツェゴビナ代表のムハメド・ベシッチだ。この21歳のボランチは、1試合平均11.63kmを走り抜き、70.6本ものパスを繰り出したのだ。まさに現代サッカーに相応しい“ハイブリッド”な選手と言えるだろう。

【数字で振り返るW杯】運動量と技術を兼ね備えた“ハイブリッド”な選手はボスニア代表ベシッチ。ドイツを追われた若手が大舞台で花開く
1試合平均走行距離トップ10

 ベシッチは、ドイツ生まれで10-11シーズンにはハンブルガーSVでブンデスリーガデビューも果たしたが、度重なる規律違反によって当時チームを指揮していたトルステン・フィンク監督の逆鱗に触れ、12-13シーズンからハンガリー1部のフェレンツヴァーロシュへ放出された。

 とは言え、彼はまだ21歳。心を改める時間は多く残されており、今大会のデータを見れば多くのクラブも放ってはおかないだろう。

 ちなみに、ベシッチと同じく11km以上を走り、60本以上のパスを出したのは、同じボスニア代表のミラレム・ピアニッチとドイツ代表のシュバインシュタイガーの2人のみ。ピアニッチは11.5kmを走り63.3本のパスを供給。シュバインシュタイガーは11.26kmを走り、73.4本のパスを出した。

 ベシッチも近い将来には、ピアニッチやシュバインシュタイガーのような世界トップクラスのプレーヤーとなることが期待される。ボスニアはグループステージで敗退したものの、今回のW杯で才能の片鱗を見せたこの有望株に今後も注目したい。

【了】

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