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Jリーグ 10年前

4-0で完勝のFC東京は安定感が際立つ。新生清水は巻き返しなるか

マッシモ・フィッカデンティ監督の戦術が浸透し、リーグ再開後2勝1分と好調なFC東京。一方の清水エスパルスは、大榎克己監督体制の初戦を迎えた。結果は4-0と、チーム力で上回るホームチームが大量得点を奪って快勝した。

text by 青木務 photo by 松岡健三郎

マッシモ・スタイルが浸透したFC東京

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マッシモ・フィッカデンティ監督【写真: 松岡健三郎】

夏本番となった8月。各地で花火大会が開かれる中、FC東京も4ゴールという大きな花火を打ち上げ、勝利を掴んだ。

 アフシン・ゴトビ氏を解任し、新たに大榎克己監督体制となった清水エスパルス。チームの立て直しはクラブのレジェンドに託されたわけだが、準備期間は少なかった。

 FC東京はマッシモ・フィッカデンティ監督が就任し、既にカラーが前面に押し出されている。DF、MF、FWの3ライン間の動きも組織的で緻密。試合の中でシステムを変えることもできる。

 特に、3人のセントラルミッドフィルダーの働きは欠かせないもので、中でも高橋秀人は高い能力を如何なく発揮している。

 アンカーのような位置に陣取り、味方を操る。3人で横幅をカバーするのは、特に夏場は体力的にも相当厳しい。サイドチェンジを多用し、FC東京を横に揺さぶる戦い方をするチームも多い中で、高橋がしっかり中央を締めているから揺さぶられても最後の局面では守り抜けている。センターバックの前に立ちはだかる高橋の存在は、相手にとっては厄介だ。

 マッシモ体制1年目も半分が過ぎ、戦術理解もかなり深まってきたと言える。

 開幕戦の柏レイソル戦、2節のヴァンフォーレ甲府戦と、2試合連続で先制しながら追いつかれていたが、それも改善されていく。先制してからの試合運びも、選手間での意思統一がスムースに行われるようになった。前からプレスに行くのか、全体のラインを下げて相手の攻撃を迎え撃つのか、試合状況の中で何をすべきか、ピッチ上の選手がよく理解できている。

 それは再開後の結果にも表れており、前節までで2勝1分と負けがない。15節の鹿島アントラーズ戦こそ先制しながら追いつかれる展開でドローとなったが、その後は2連勝で好調をキープ。

 そして勢いそのままに、監督交代直後の清水を4-0で粉砕した。

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