濃密にして充実した期間。心に響く代表選手たちの言葉
高校生で日本のトッププレーヤーと練習できるというだけでも贅沢な環境だったのに、W杯で戦う代表選手たちが普段どんな姿勢で練習に臨み、どういう心構えで試合に挑み、どれだけのプレッシャーを背負って戦うのかを間近で見ることができたのだ。
これ以上は望むべくもないほど充実した時間を過ごしたであろう。約1ヶ月以上にも及ぶ活動となったが、坂井は「毎日が充実していたので、長いとは感じなかった」と振り返る。杉森も「すごくあっという間に時間が過ぎていった」と同調する。
日本代表と一緒に過ごすことで大いに刺激を受けた。「サッカーに取り組む姿勢がすごいと思った。そういうことを間近に学べたし、チームに帰ったときにその姿勢を出すようにして、還元したい」と坂井は力を込める。
とりわけ、この4年間で日本サッカー界を牽引してきた本田圭佑と長友佑都からは強い影響を受けたようだ。坂井は「試合が終わったあとの雰囲気、勝った時や負けた時の立ち振る舞い、そういうものを自分たちの世代に伝えるようにと教えてもらった」と力説した。
杉森も本田からもらった助言が心に響いていた。「体が大きくないんだから、しっかりとした技術を身につけて、絶対に技術でボールを取られないくらいになれ」。日本人選手のなかではフィジカルが強いと言われる本田でも、世界の強敵と対峙したときには当たり負けすることがあるのを目の当たりにした。
杉森の身長は170センチ程度。これからまだ成長する可能性もあるが、それでもフィジカルで海外の屈強な猛者たちと渡り合うのは難しい。だからこそ、これから世界で輝くためには完璧な技術を身に付ける必要があることを強く感じたはずだ。