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未曾有の土砂災害にサッカー界は早くも支援を開始。石橋竜史市議に聞く、広島市の現状と今後求められること

text by 澤山大輔 photo by Daisuke Sawayama

土砂撤去に100億円以上かかってしまう可能性も

――土のう袋の3分の1以上泥を入れてしまうと、重くてなかなか持ち上がりません。

「普通の汚泥のようにザクザクと除去できるものではないので、繰り返しになりますが、泥などの撤去に留まらず、今後ますます人的支援が必要になってきます。ありがたいことに物資に関しては全国各地から、3.11の経験も踏まえて『有用なる日用品』が次から次へと全国から広島市へ送り届けられています。

 安部首相も現地に入られましたし、今後は激甚災害指定を受けて、国からもかなりの援助をしていただけるかと。しかし単刀直入に申せば、国からは義援金というよりは支援金の要素が濃く、無論、現時点で支援金の使途は明確に決定しておりませんが、この度、被災された方々へ直に届けられるというよりは、インフラなど街の復興へ向けた財源に相当の割合は割かれるはずです。

 被災された方々の個人や家族単位の話しで申せば、やはり先立つもの、お金はいろいろなものに替えられ、生活復旧への一助に多大な効力を発揮してくれることは間違いありません。

 安直に、皆様へお願いできる話ではないことを重々承知ですが、現地から忌憚無く申させていただけば、人的支援と財政的な支援、この2つをお願いできればと思っています」

――松井一実・広島市長は、土砂撤去費用について「約100億円かかるのでは」という見通しを出されていました。

「私は飛び回っていて、現時点でまだどのような内訳でその金額を算定されたか詳しくは存じ上げないのですが、ひょっとすると、それ以上の莫大な費用が掛かってしまう可能性もあるのではないか? とも考えております。

 これはあくまで私の肌感覚による推測でしかありませんが、あれだけの家屋が倒壊し、JR可部線も緑井~可部間が今も止まった状態です。最低限のインフラ整備は数ヶ月で整いはじめるとは思われますが、一定水準に都市機能を戻すには、やはり数年単位の時間を要するのではないかと思います。そういった意味で、莫大な金額がこれからも加算されていく可能性は高いと思います」

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