2強時代のライバル・磐田からやってきた山本脩斗
J2では湘南ベルマーレが破格の強さでJ1復帰を果たした。その湘南と昇格を争ったジュビロ磐田は、昇格圏内の3位に踏みとどまっているものの、前節は水戸ホーリーホックに1-4で惨敗。シャムスカ監督は解任され、クラブのレジェンドである名波浩氏が新監督となった。
かつてはJリーグ最強とまで言われた名門で、鹿島アントラーズとは長く2強時代を築き、リーグを牽引してきた。磐田の黄金時代を知る人にとって、現在の状況は寂しいものだろう。
そんな磐田から今シーズン、ある選手が鹿島に加わった。それが山本脩斗だ。
開幕戦からスタメン出場を果たすと、チームも3戦連続の完封勝利。山本も無失点に貢献していた。
「守備の部分で、開幕から0で抑えられたことは個人的にも自信になりました。勝つことによって徐々に周りとも連携も高めていけた」
怪我もあり14節に一度だけベンチ外を経験したが、それ以外はすべてスタメンで出場しており、左SBは山本の定位置となっている。
鹿島のSBというと、攻守において様々な役割が求められる。それらを高いレベルでこなさなければならないが、トニーニョ・セレーゾ監督が強調するのは、根本的な部分だったという。
「セレーゾが言うのは、献身的にプレーすること。自己犠牲というか、“チームのために”という部分。守備は絶対に疎かにはできないし、そこは90分切らずにやろうと意識している」
様々な役割があるとはいえ、第一に求められるのは敵陣深くまでオーバーラップするのではなく、相手の攻撃を防ぐこと。そして、それができているからこそ山本は常にピッチに立っているといえる。