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日本代表 10年前

「しぶとく泥臭く守る覚悟」を植えつけるも、直面した宿敵・韓国の壁。五輪予選へ問われる手倉森監督の手腕

宿敵・韓国に0-1で敗れたU-21日本代表。守備面では一定の評価を与えたものの、攻撃面では課題が浮き彫りとなった。五輪予選を通過するためにもノルマだった4強進出を果たせず、チーム改革が必要なことは明白だ。

text by 元川悦子 photo by Getty Images

自身も現役時代にアジア大会で韓国に敗戦

 2016年リオデジャネイロ五輪を目指し、今年1月のU-22アジアカップ(オマーン)から本格的に指揮を執り始めた手倉森誠監督。

 初采配となった同大会では準々決勝でイラクに敗れ、ベスト8止まりとなっただけに、2度目のビッグトーナメントである今回の2014年アジア大会(韓国・仁川)は最大限の力を出して、前回のU-21日本代表が果たしたアジア制覇に近づきたかった。

 1次リーグはリオ世代ではアジア最強の呼び声を欲しいままにしているイラクに1-3の苦杯を喫したが、クウェートとネパールを順当に倒して決勝トーナメントに進出。

 ラウンド16のパレスチナ戦は4-0で勝利し、準々決勝・韓国戦へとコマを進めた。リオ五輪出場枠が3.5ということを考えると、4強以上は最低ノルマ。相手がU-23+オーバーエージ3人の構成を取っていても、日本としては結果にこだわる必要があった。

「ライバル国との対戦は日本の物差しになるから、ぜひ戦った方がいいと思っていた。韓国とのドアウェーの試合にしっかり勝って、最終的にイラクにリベンジしたいって筋書が俺らにはあるからね。

 自分自身としても、仁川での韓国戦と言えば86年アジアユースを思い出す。井原(正巳=柏コーチ)とゴン(中山雅史=解説者)がセンターバックを組んだユース代表の一員として自分も戦ったんだ。

 結局、試合には負けて翌87年のチェコスロバキアでのワールドユースには進めなかった。そんな過去があるから、今回のアジア大会が仁川開催だと聞いた時には『俺はそこで韓国にリベンジすることになる』と感じたよ」

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