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日本代表 10年前

アギーレジャパン成熟への近道は“最終ラインの安定”。西川の元クラブメイト、森重と塩谷との相互理解が大きな武器に

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

攻撃に出るために必要なのは“最終ラインの安定”

アギーレジャパン成熟への近道は“最終ラインの安定”。西川の元クラブメイト、森重と塩谷との相互理解が大きな武器に
浦和の守護神・西川は今シーズン、再びセンセーショナルなフォームを保っており、自身3年連続J1タイトルへ突き進んでいる【写真:Getty Images】

 ただ、当然のことながら、そのようなアプローチをするためには相手の攻撃を寄せ付けなくしておくために最終ラインの仲間を信頼する必要がある。そして、それこそがアギーレが守備組織の確立に集中している理由だ。

 恐らく、吉田麻也はまだCBの一番手だろう。しかし、西川が川島から王座を奪うのであれば、森重と塩谷と彼の相互理解は代表チームにとって大きな武器となるはずだ。

 浦和の守護神は今シーズン、再びセンセーショナルなフォームを保っており、自身3年連続J1タイトルへ突き進んでいる。

 さらに、驚くことに彼は10年もの間Jリーグでレギュラーとして出場している。その10年間では森重(2006-2009の大分トリニータ)と塩谷(2012-2013のサンフレッチェ広島)とのプレーも含まれている。

「確かに、周君が後ろにいてくれることは僕にとって安心感を与えてくれた」と、塩谷は代表デビュー戦の後に語っている。

「僕たちは、お互いにパスを受けるポイントについて試合前に話し合った。そして、試合においても上手く出来たと思う」

「塩谷の強みは1対1に強いこと。さらに、攻撃にも参加することが出来る」と、西川は以前のクラブメイトについて語っている。

「僕らは広島で一緒だったので、彼とのプレーは本当に簡単だった。最終ラインからボールをつなぎ始めた後半に関しては特に」

 森重もまた、良い理解を共有する選手たちとのプレーを楽しんでいた。

「もちろん、連係を深めるためには試合を必要とするけど、短い時間でも理解し合える選手とプレーするのは素晴らしいこと」と、彼はミックスゾーンで語った。

「それは時間がかかることだけど、これからより良くなり続けると思う」

 いくつかの部分では、まだアギーレ監督が穴を埋めていくべき作業が残っている。しかし、パズルは確実に形になり始めている。

【了】

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