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日本代表 9年前

アギーレジャパン成熟への近道は“最終ラインの安定”。西川の元クラブメイト、森重と塩谷との相互理解が大きな武器に

ジャマイカ戦で1-0と勝利を挙げたものの、消化不良に終わった日本代表。アギーレ監督が求めるカウンターアタックを確立するために必要なものは“最終ラインの安定”だ。

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

守備的にチームを引き締めるアギーレ監督

アギーレジャパン成熟への近道は“最終ラインの安定”。西川の元クラブメイト、森重と塩谷との相互理解が大きな武器に
アギーレ監督が守備的にチームを引き締めることに重点を置いていることも明らか【写真:Getty Images】

 先月行われたハビエル・アギーレ監督の初陣の後に長友佑都に話を聞くと、新たな指揮官はまずチームを機能させることよりも選手個人の能力を見極めることに集中していることを説明した。

 しかし、時期尚早ではあるがジャマイカ戦はメキシコ人監督がチームとして選手に求める形を徐々に伝え始めていることを示唆していた。

“レゲエ・ボーイズ”は酷い対戦相手だった(J2で苦戦するチームと同じくらいミスを犯した)。ナイロン・ノスワーシーは、前半16分のオウンゴールでハビエル・アギーレ監督にとってサムライブルーでの初勝利をプレゼントしてしまった。

 その試合は、美しくもフラットな雰囲気のビッグスワンスタジアムで見ていて全く感銘を受けないものだった。

 ただ、ウルグアイ戦とベネズエラ戦ではオーディションを受けているかのような空気(むしろ大学のオープントライアルのような)を醸し出していた選手たちだったのに対して、新潟でのチームは初期の兆候はある程度出せていた。

 まず、スターティングラインナップを見ると、アギーレ監督は「全ての選手を試す」と言っているにも関わらず、すでにお気に入りの選手を見つけていることは明らかだった。

 長友佑都、森重真人、細貝萌、そして本田圭佑は55歳の指揮官によって全ての試合で先発メンバーに選ばれ、酒井高徳、武藤嘉紀、柿谷曜一朗は先発か途中出場かを問わず全試合で起用されている。

 さらに、アギーレが守備的にチームを引き締めることに重点を置いていることも明らかだ。

 ジャマイカは日本にとって全く脅威とはならなかったものの、細貝は最終ラインまで下りて森重と塩谷の間に入り、3バックを形成していた。前半、日本がボールを持っているにも関わらず長友と酒井高が攻撃への参加をためらっている状況であっても同様だった。

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