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日本代表 10年前

アギーレジャパン成熟への近道は“最終ラインの安定”。西川の元クラブメイト、森重と塩谷との相互理解が大きな武器に

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

「もっとチーム全体で仕事を」。連動した攻撃がカギ

 それは、ジャマイカのボロボロのバックライン(彼らは何一つ規則性を示さなかった)を突破する役割を前線の5人のみに託しているようだった。未だコンディションが上がっていない香川、国際サッカーに適応している最中の武藤と柴崎、そして見苦しいほどにチャンスを逃し続けた本田と岡崎の5人だ。

 しかし、後半は少し改善され、再びゴールを決めることは叶わなかったものの、多くのチャンスを作り出すことは出来た(武藤は閉じられた場所でのタイミングの遅いシュートと至近距離からのヘッドをミスしてチャンスを逃した)

 後半45分間でのチャンス増加の要因は、主に長友と酒井高が鎖を外されたかのように攻撃に参加したことでワイドな攻撃が可能となったためだ。

「前線の3人だけで攻撃をしているのは十分ではない。もっとセントラルMFとSBが絡んでいく必要がある」と、長友はジャマイカ戦後に語っている。

「これからは、攻撃時にもっとチーム全体で仕事をしなければならない」

 ジャマイカ戦が進むにつれてそれは明確になっていった。(私は、アギーレ監督がポゼッションよりもカウンターアタックを重視してチームに求めていることを疑問に思い始めている…)

 日本代表は、ボールをキープ出来る選手が多い傾向にあるが、多くの場合、彼らは攻撃の速度を変化させることに苦労している。さらに、カウンターアタックでは、サイドの選手が適切なポジションに位置していない相手の選手を捉える能力が必須となる。

 もちろん、酒井高と長友のような攻撃的で速いSB、武藤と柿谷のようなセンセーショナルなボールコントロールをもつ直線的なFW、香川と柴崎のようなキラーパスを通せる技術を持つ選手は恐らく、そのようなアプローチに合うだろう。

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