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本田圭佑 10年前

右WGで“オンリーワン”の存在感示す本田。2桁得点ならレジェンド超えも。「ミランの10番」として歴史に名を刻め!

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

アバーテとの右サイドコンビは外せない“ホットライン”

 ただ、試合に目を向けてみれば現在のミランにおいて、本田は完全にチームの中心と言える存在となっている。

 その証に、自ら決めた2得点だけではなく先制点にも貢献している。相手DFラファエウ・マルケス・ピント(メキシコ人のラファエル・マルケスではなく“相棒”のブラジル人選手)のオウンゴールは偶然のラッキーゴールではなく、本田とアバーテが再三にわたって右サイドを攻め込んだからこそ生まれたものだ。

 前半のスタッツを見ると、敵陣右サイドのプレーエリアが11.65%。左サイドが5.53%だったことからもミランの攻撃が右サイドを中心に展開されていたことが分かる。

 さらに、クロス本数では左サイドの2本に対して右サイドは6本。1対1を仕掛けた回数では左サイドは0回だったのに対して右サイドは4回(うち本田は2回)を記録している。

 ここまでの7試合で全て先発出場しているのは本田とアバーテの2人のみ。インザーギ監督にとって、この2人が形成する右サイドのコンビは外すことの出来ない“ホットライン”となっている。

 この2人がコンビネーションも1対1も織り交ぜて右サイドを支配したからこそ、ヴェローナの守備陣が耐え切れずアバーテのクロスに対してオウンゴールを犯したのだ。

 さらに視野を広げれば、先制点も本田によるチーム2点目も起点となっていたのは左サイド。つまり、「右で圧力をかけて左に出来たスペースを生かす」というバランスのとれた攻撃をミランは実行出来ている。

 また、チーム全体のスタッツを見ると、ヴェローナがパス本数、シュート数、ポゼッション率など全ての面でミランを上回っている。それでもスコアは3-1。インザーギ・ミランの真骨頂と言えるカウンターがはまったからこその勝利。

 後半42分のニコラス・ロペスの1点は無駄だったものの、ミランにとって理想的な1勝と言えるだろう。

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