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Jリーグ 9年前

『キャプテン翼』は現実にあらず。“攻撃的サッカー”で4失点…日本に欠ける守備への理解。育成年代から改革を

text by チェーザレ・ポレンギ photo by Asuka Kudo / Football Channel

強豪との対戦で4失点。日本に根付いた“脆い守備”

 アルベルト・ザッケローニ監督は、オフェンスの選手が徹底して攻撃的にプレーすることで世界の強豪と渡り合えると考えていた。しかし、そのような戦術は恐ろしいほどに間違いだったと言えるだろう。

 日本は、世界レベルの2大会で計6試合を戦って5試合で敗れた。唯一、敗戦を免れたギリシャ戦では、約1時間もの間、10人の相手と戦って0-0という結果に終わったのだ。

 何より、2013年にはイタリアを相手に何とか3点を挙げながら4失点。さらに、ブラジルにもコロンビアにも4失点を喫している。

 ブラジルといえば、2012年にポーランドで行われた親善試合で4失点、つい先日に行われたシンガポールでの一戦も4失点で敗れた。2013年夏に仙台で行われたウルグアイ戦も然りだ。

 そろそろ4失点のリストを連ねるのは止めよう。

 日本のサッカーがディフェンスに問題を抱えていることは明白だ。実際、4-4のスコアだったFC東京対浦和レッズを視察していたハビエル・アギーレ監督は、その姿をカメラに映される度に首を振っていた。

 別名「偉大な試合」は、酷いディフェンスによって8ゴールを“楽しむ”機会を与えてくれた。

 メキシコ人監督は、全く無能ではない。2010年W杯で岡田武史監督が実践したように、ディフェンスラインの前に“第3のCB”として森重をアンカーに配置することでサムライブルーに根付いた問題を解決しようと試みた。

 しかし、現時点では“つぎはぎ”だらけ。我々が2010年の闘莉王&中澤のような CBコンビを手に入れるような幸運に恵まれない限り、日本が国際的な成功を手にすることはないだろう。

 日本では大多数の人々が無視しているが、これは純然たるサッカーの真実である。優れたディフェンスなくして、ビッグトーナメントは勝ち抜けない。

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