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Jリーグ 9年前

『キャプテン翼』は現実にあらず。“攻撃的サッカー”で4失点…日本に欠ける守備への理解。育成年代から改革を

text by チェーザレ・ポレンギ photo by Asuka Kudo / Football Channel

世界基準からは程遠いJリーグの守備陣

『キャプテン翼』は現実にあらず。“攻撃的サッカー”で4失点…日本に欠ける守備への理解。育成年代から改革を
パトリックは2得点を決めた【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

 イタリアは、2006年のドイツでベストチームではなかった。しかし、彼らには最高のディフェンスがあった。計7試合において、彼らは2つの失点しか許さなかった(オウンゴールとPK)。そして、彼らはW杯を制したのだ。

 対照的な例として、リオ・ファーディナンドとネマニャ・ビディッチの後継者を見つけられていないマンチェスター・ユナイテッドに何が起こっているかを考えて欲しい…。

 さらに、より身近な例を挙げると、2012年にガンバ大阪に降りかかった事態を思い返して欲しい。彼らは、リーグで最も得点を挙げながら、ワースト2位の失点を喫して降格という結果に終わっている。

 そして、ナビスコ杯決勝は日本のディフェンダーが強力なストライカー(特に外国人)と対峙した際に脆さを露呈してしまうことを改めて証明した。(この場合、特にサンフレッチェ広島が)

 パトリックは2得点を決めた。しかし、3点、4点と決める可能性も十分に感じさせていた。彼は、サンフレッチェのペナルティエリア内で思いのままにプレーし、彼に送られた多くのクロスはチャンスまたはゴールに繋がっていた。

 浦和レッズのワシントンを覚えているだろうか? 数多くのゴールを決めた彼は、紛れもなくワールドクラスの選手だった!

 しかし近年では、ある程度フィジカルの強さを持っていれば、どんな外国人ストライカーでも自由に得点を奪うことが出来ている。パトリックは良い例だろう。

 我々は、30歳を過ぎてなおJリーグで偉大なキャリアを築いた選手を振り返ることが出来る。フローデ・ヨンセン、ジョシュア・ケネディ、ミリヴォイェ・ノヴァコヴィッチ、そして現在のマルキーニョス…。

 そのような選手たちが日本のディフェンダーに対して容易に得点することが出来るならば、ハメス・ロドリゲスやスアレス、ネイマールと対峙した場合に何が起こるのか簡単に想像することが出来る。

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