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本田圭佑 9年前

“紙一重”のミラン新布陣。得点増も大量失点の可能性。左サイド・本田は黒子に徹するか

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

息を吹き返す要因となった本田とチェルチのポジションチェンジ

 それでも、後半に入るとメネズとザッカルドがゴールを決めて3-1で勝ち点3を手にした。

 後半45分のスタッツを見ると、ポゼッションではミランが44.5%でパルマの55.5%を下回ったものの、シュート数では10本対6本、枠内シュート数でも6本対2本、チャンスメイク数も7回対5回と上回った。

 もちろん、57分に勝ち越したことで落ち着きを取り戻し、(不安定に変わりはないが)守備に比重を置くことで攻撃への流れが生まれたといえる。

 しかし、好調だった序盤もポゼッションで下回りながら勝利を挙げた試合は多かっただけに、キックオフから落ち着いて守備から入ることができれば、再び結果も付いてくる可能性はあるだろう。

 また、後半に息を吹き返したもう1つの要因として、本田とチェルチのポジションチェンジがある。

 前述の通り、インザーギ監督はこの試合で4-4-2のフォーメーションを採用。右に本田、左にチェルチを起用したが、序盤は機能したとは言い難い状態だった。

 本田は、従来通りに右から中へと侵入しながらチャンスメイクの機会を伺っていたがボールが回ってこない。これまで右のインサイドハーフとして本田へパスを供給してきたポーリが、この日はアンカー不在ということもあって攻撃への意識を高めることができなかった。

 さらに2トップなだけに、メネズが下がったスペースに入り込もうにもデストロがいるため、前線に顔を出す機会も少なかった。前半30分までのプレーエリアを見ると、アタッキングサードでボールを触った回数はわずか2回だった。

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