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本田圭佑 9年前

“紙一重”のミラン新布陣。得点増も大量失点の可能性。左サイド・本田は黒子に徹するか

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

“がんじがらめ”だった本田の左サイド

“紙一重”のミラン新布陣。得点増も大量失点の可能性。左サイド・本田は黒子に徹するか
チェルチは、本田とは異なるドリブルやランニングでの飛び出しを得意とするタイプ【写真:Getty Images】

 しかし、その後30分からは左のチェルチとポジションを交代。右にチェルチ、左に本田という形となった。

 チェルチは、本田とは異なるドリブルやランニングでの飛び出しを得意とするタイプ。本田以上に個人で突破するスタイルが上手くはまり、チェルチは後半のみで3度のチャンスを作り出した(前半は0)。

 データサイト「Squawka.com」のパフォーマンス・スコアを見ても、チェルチは前半が-10と低評価ながら、後半は37点と高評価を与えられた。

 一方の本田は、左サイドに移ってから苦労している様子だった。本田のように中で勝負したい選手にとって、左利きで左サイドというのは難しい。自由が制限され、プレーの選択肢も狭まり、“がんじがらめ”のプレーを強いられている感覚だったはずだ。

 やはり本田をサイドで起用するのであれば右がベストだが、この試合を見る限りは、4-4-2であれば右サイドはチェルチの方が機能するかもしれない。特に、現在のミランはチームとして攻撃の形を忘れ、個人技での攻撃が主となっているだけに。

 ただ、この4-4-2は前線に枚数を増やすことで得点は増えるかもしれないが、失点も増える可能性が高い。他の相手であれば、大量失点で敗れる試合も出てくる恐れがある“紙一重”のフォーメーションと言えるだろう。

 そして、今後も4-4-2を続けるのであれば、本田は左サイドで起用される可能性も高い。そうなれば、“黒子”として周囲をサポートする役割となるだろう。個々がそれぞれにプレーし、攻撃も守備も崩壊寸前のチームをつなぎとめる1枚の皮として…

【了】

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