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本田圭佑 9年前

懸念されるアジア杯の疲労蓄積。それでも指揮官は本田を信頼。復調へのカギは「前に出る運動量」

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

復調か我慢の時か、その答えとなるエンポリ戦

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本田圭佑のコンディションも心配される【写真:Getty Images】

 そして今週も、ミランは別メニューを組んで彼の回復を図った。11日、12日には別メニューで調整。フィジカルスタッフはミラン・チャンネルに対し「プログラム通りのもの」と説明している。

 ただ地元紙報道では「内転筋に疲労が蓄積していたため別メニューを組んだ」という情報もある。

 そういう状態でも、インザーギ監督は本田への信頼を崩していないようである。12日の地元紙では「監督は本田を起用すること希望している」と報じられていたし、ユベントス戦を振り返れば、「前半の最初は良かった。あれをモデルに復調への再出発が切れる」と本田をトップ下で使った時間帯を好意的に評価していた。

 守備などのタスクに忠実に従い、バランスを整えてくれる彼を評価し、信用を置いているのである。

 ただ攻撃的なプレイヤーとしては、やはりチャンスメイクやシュートなど、ゴールへの絡みがないと評価されない。そこから前にも走って行きたいが、体力的には難しいのである。

 チェルチやデストロが加入した関係で、ゴールに近くプレイディスタンスも確保しやすい4-3-3の右ウイングからは遠ざけられた。パルマ戦の時点でも「運動量を増やさないと。(シュートにまでいく)そこに行くまでの距離は以前よりも増えてくる」と課題を語っていたが、その上でアジアカップの疲労の蓄積はどのような影響をもたらすのか。

 15日の対戦相手エンポリは、前期日程で見せた若手主体の組織サッカーをさらに成熟させてきている。またタフな戦いを強いられる相手だが、ゴール前に出て相手を脅かすことを可能にするだけのタフネスは本田に残っているかどうか。

 復調か、それともしばらく我慢の時は続きそうなのか、この試合である程度答えは出るのかもしれない。

【了】

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