フットボールチャンネル

「武藤嘉紀」として居場所を得るために。言葉の壁もプレーでも、積極姿勢で第一歩を踏み出す

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「とにかく、結果を出すのが一番早いんじゃないかな」

「武藤嘉紀」として居場所を得るために。言葉の壁もプレーでも、積極姿勢で第一歩を踏み出す
マーティン・シュミット監督【写真:Getty Images】

 シュミット監督は武藤に対して概ね好印象を抱いているが、まだポジションも含めて見極めている最中である。

『キッカー』特別号の中では、シュミットは「もちろん私にとって選手が入れ替わることはいつもチャンスなんだ。新しい選手を成長させるためのような」と述べている。つまり武藤を含めた新加入の選手にとっては、誰にでもチャンスがあるということだろう。

『キッカー』特別号は、マインツについて「新加入の選手達が本当に(移籍した岡崎とガイスの)両者の代わりとなり得るのか疑わしい」と記している。しかし武藤は岡崎の代わりとなる必要があるのだろうか。大事なことは、武藤が、武藤嘉紀として、マインツの中にポジションを確保することだ。

 そして武藤は、そのために何が必要なのかを理解している。

「(チームに)溶け込んでいくために一番早いのはやっぱり、なんだろ、結果を出すこと。そうすると、あっちも信頼してくれて、声も掛けてくれるし、パスもしてくれるし、とにかく、結果を出すのが一番早いんじゃないかなと思います」

 ここで言う「結果」とは、アシストであり、ゴールなのだという。

 ひとつひとつ言葉を覚え、コミュニケーションを図り、結果を出す。ピッチ上での信頼を築く。それがさらなる結果に繋がる――。

 8月のドイツ・カップ、そしてブンデスリーガの開幕に向かって、武藤の戦いは続いている。

【了】

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top