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日本代表 9年前

「全てはヴァイッドの責任」。張られた予防線。中国戦は更なる新戦力テストか。指揮官の真意とは?

中国・武漢で行われている東アジアカップも開催国・中国との最終戦を残すのみ。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は今大会を新戦力のテストと位置付けているが、大会初勝利のかかる一戦へどのような考えを持っているのだろうか。

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「今ここでプレーしている選手たちにこれ以上多くを望めない」

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予防線を張るようなコメントを繰り返したヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 なでしこジャパンが8日の2015年東アジアカップ(武漢)最終戦・中国戦を2-0で勝利し、何とか3位に滑り込んだ。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表も連覇の道はすでに断たれたが、9日のラストマッチ・中国戦で意地を見せなければならない。指揮官も前日の8日には今大会初の非公開練習を実施して、選手たちに戦術を徹底的に叩き込んだ。

「1戦目は速く行き過ぎた。その分チャンスは作れていましたけど、少し運動量が落ちたり、精度を欠く部分があった。2戦目は相手の力もありますけど、極端に速い攻撃がなくなってしまった。次はうまくコントロールできると思います」と2試合ぶりの先発が予想される武藤雄樹(浦和)もチーム全体の着実な前進を強調していた。

 彼らの様子を見ていても、練習を追うごとに選手同士の特徴の理解が進み、一体感も生まれている印象がある。確かに日本代表は前向きな方向に進んでいるようだ。

 こうした今回の約10日間の成果を勝利に結びつけたいところだが、ハリルホジッチ監督は結果に対しては慎重な姿勢を崩さなかった。

「みなさん、ホントに少しガッカリされてるかもしれません。(東アジアカップの対戦国は)隣国で、サッカーの面でもライバルになりますから、それを倒したいと国民のみなさんも思っているでしょう。ただ、これ(現時点のチーム)が日本のベストメンバーというわけではない。どれが日本代表にとって一番いいチームなのかを探している状況です。

 我々が今、難しい状況にあることを理解していただいたうえで、ヴァイッド(自分)を批判してください。これは全てヴァイッドの責任です。私が言い訳を探しているとかいろいろ思うでしょうが、とにかく批判は私にしてください。今、ここでプレーしている日本代表選手たちには、これ以上多くのことを望めないと思います」とあらかじめ予防線を張るようなコメントを繰り返したのだ。

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