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Jリーグ 8年前

これでいいのか! JリーグのCS・PO。多くの犠牲と失われた公平性。求められる“100点”に近づける努力

text by 藤江直人 photo by Getty Images

成績上位クラブのホーム開催という対案

 Jリーグ側は全国のスタジアムから開催希望を募り、昨シーズンは味の素スタジアムが選出された。同スタジアムをホームとする東京ヴェルディが20位に低迷したこともあり、中立性を損なう問題は表面化しなかった。

 今シーズンもキャパシティが2万人以上であることが念頭に置かれ、全国から開催希望が募られた。その際には、前日にJ1のチャンピオンシップ決勝が開催されることを受けて、芝生の保護という観点からJ1のホームスタジアムが除外されている。

 そのうえでアクセスの利便性なども問われると、候補は極めて限られてくる。こうした状況から、さかのぼること3月中旬の実行委員会と理事会で、ヤンマースタジアム長居での開催が満場一致で決定・承認されていた。

 実行委員は各Jクラブの代表取締役が務める。決して低くない確率で起こりうる、セレッソがJ1昇格プレーオフ決勝をホームで戦う事態を、クラブのトップが認めていたことになる。

 決勝戦の舞台のみがもち回りとなるヨーロッパのカップ戦では、当該スタジアムをホームとするクラブが勝ち進むことがある。記憶に残るのは2002年5月。フェイエノールトの本拠地デ・カイプでの決勝開催が決まっていたUEFAカップで、MF小野伸二(現コンサドーレ札幌)が所属していたフェイエノールトが勝ち進み、決勝では超満員の大歓声の後押しを受けてボルシア・ドルトムントに快勝した。

 UEFAチャンピオンズリーグを含めて、決勝開催スタジアムが決定するのはその数年前。こればかりは偶然で避けられないが、日本のJ1昇格プレーオフ決勝の場合は対案がある。

 新国立競技場が完成する2019年までの3シーズン限定で、成績上位クラブのホームで開催することだ。今シーズンに当てはめれば、3位でリーグ戦を終えたアビスパのレベルフィアブスタジアムとなる。

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