Jクラブはメディアとどう付き合っていくべきですか?【教えて、野々村社長!―06】
Jリーグがさらに発展していくためには何が必要なのか? 現場に携わる北海道コンサドーレ札幌の野々村芳和社長へ素朴な疑問をぶつけ、より広い層へ現状を伝え、未来への提言を行っていく。不定期連載です。
2016年01月09日(土)10時00分配信
どうすればメディアへの露出が増えますか?
――コンサドーレとメディアの付き合い方はどうしていくのが理想でしょうか?
「以前のコンサドーレは、地域のスポーツの代表ということで、どんどんメディアが取材に来てくれて、どんどん露出をしてくれていた。でも、いまは北海道日本ハムファイターズが来たことによってその回数は圧倒的に減っている。
野球は毎日試合があってメディアとしてはすごくやりやすいからね。プロ野球はビジネスモデルがしっかりしていて、メディアに対しても広告に対してもお金を使える。その中でコンサドーレがお金を全く使わないで露出を求めても、それは難しい。
だったらビジネスとしてしっかりメディアと向き合っていく姿勢もないと厳しいんじゃないかと思う」
――お金を払って露出を増やしていくということですね。
「サッカーが文化になれば勝手に露出されるかもしれないけど、いまはエンターテインメントとしての側面を強く打ち出していかなければいけない時期だから、メディア露出に関してはお金を使う。
全部のクラブがそうだとは思わないんだけど、地方の大きな都市でメディアが充実しているところに関しては1億円の選手を獲るより、同じ額をプロモーションに使った方がいいんじゃないかと、個人的には思っている」
――クラブ側の目線で、メディアの現状をどう見ていますか?
「Jリーグは20年やっているし、サッカーを報じるメディア、特に専門的なメディアに関して、的を大きく外れたものはないと思う。だけどサッカー専門メディアの情報を受け取る人は一定以上のコアな人たち。
そういうサッカーに特化した顧客に対しては様々な情報が充実していると思うけど、もっとファンを増やそうとするには、まだ地上波を使う必要があると思っている。マスメディアを使って興味のある人が増えれば、サッカー専門メディアも潤ってくるかもしれないし」