リオ五輪先発狙う奈良竜樹。川崎Fで培った自信。植田、岩波との競争で描く成長曲線

リオデジャネイロ五輪に挑むU‐23日本代表が11日、ガーナ代表との国際親善試合に臨む。日本時間8月5日のグループリーグ初戦で激突するU‐23ナイジェリア代表を想定した一戦は同時に、18人にしか与えられない五輪切符をかけたサバイバルが本格的に幕を開ける90分間でもある。新天地・川崎フロンターレでレギュラーをがっちりとつかみ取った奈良竜樹は、U‐23日本代表におけるセンターバックの定位置争いに割り込む強い意志と覚悟をもって、ベストアメニティスタジアムのピッチに立つ。(取材・文:藤江直人)

2016年05月11日(Wed)10時40分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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「骨まで見えていた」負傷からの早期復帰

川崎フロンターレで定位置を確保した奈良竜樹
川崎フロンターレで定位置を確保した奈良竜樹【写真:Getty Images】

 黒い帽子をかぶり、さらにつばの部分を上へ折り曲げる。いつものスタイルで5月8日の柏レイソル戦後の取材エリアに姿を現した奈良竜樹の体には、激戦の代償ともいえる勲章が刻まれていた。

 首の右側の部分に残っている、痛々しい引っかき傷。それも1ヶ所ではなく数ヶ所に。おそらくはゴール前におけるコンタクトプレーで、相手選手の爪にかきむしられた痕なのだろう。

「首に何かありますか?」

 傷の存在を聞かれた奈良はしかし、まったく意に介していない。それどころか、すべて無失点で5連勝と快進撃を続けていたレイソルを、敵地・日立柏サッカー場で撃破した喜びを漂わせながら笑顔を浮かべた。

「いやぁ、わからないです。多分、今日の試合でやったんじゃないですか」

 威風堂々としたたたずまい。180cm、77kgの体からは、たくましさと雄々しさがプンプンとまき散らされている。当然ながら、右足のすねに負った裂傷に関しても泰然自若としている。

 浦和レッズに0対1で屈し、今シーズン初黒星を喫して首位から陥落した4月24日のファーストステージ第8節。後半終了間際に、奈良はまさかのアクシデントに見舞われてしまう。

 自陣のゴール前で、レッズのDF森脇良太と激しく接触。なかなか起き上がることのできない奈良の周囲に集まったチームメイトたちが、ベンチへ試合続行不可能のサインを送る。

 そのなかの一人、FW大久保嘉人が試合後に発した言葉に、メディアは騒然となった。

「骨まで見えていた」

 試合後の公式会見。フロンターレの風間八宏監督も深刻な表情を浮かべながら、「完治までどのくらいかかるかわからない」と、奈良が負ったけがが決して軽傷で済まないと示唆していた。

 8月に開幕する4年に一度の祭典、リオデジャネイロ五輪への出場も危ないのではないか。誰もが早期復帰を危惧したなかで、奈良は5日後に行われたガンバ大阪戦で先発メンバーに平然と名前を連ねた。

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