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引退後、サッカー選手が路頭に迷わないために。“経験者”玉乃淳が説く、決断できることの重要性【インタビュー】

text by 本田千尋 photo by Jun Tamano

現役中はサッカーに集中すべき。引退後を考えるより練習せよ

――それは、玉乃さんだけの事例ではない?

「いや、たくさんありますよ。僕、友人を2人亡くしているんです。現役時代に同じチームでプレーして、引退後に亡くなった友人が2人います。フラフラしてしまって、何をしていいのか分からない状況の中での事故でした。もう現役の時に持っていたような強いメンタリティはなかった。不幸が起こってしまいました。路頭に迷っている中での死だった。

 だから、その雑誌での連載に救われました。僕も何をしていいのか分からない状況の中で、僕は何を知りたいって、みんながどうやって生きているのかを知りたかった」

――逆に言うと、サッカー選手だった頃にもっと色々な世界を見ておけばよかった、ということですか?

「そういう気持ちはないんです。引退した時点で、今知っていることを知れたらなあ……って思ったんですよ。現役時代は、サッカーに集中するべきです。引退後どうするのかとか、そんなことを考えている暇があったら練習したほうがいい、サッカーに集中したほうがいいと僕は思っている。

 サッカー選手であることは何よりも大事なことだと思うので。喜びであり、夢であり。収入面でも、それは稼げますし。とにかく引退するまではサッカーに集中してほしいと思って、WEBサイト『TAMAJUN Journal Football×Career』を立ち上げたんです」

――現役のサッカー選手が、目の前のサッカーにより集中できるために。

「そうですね。そしてサッカー選手を辞めた時に、僕がこうやって引退して6年かけて見てきた世界を、1ヶ月、1日、2日で『TAMAJUN Journal Football×Career』で見て、何かを感じて、ああ自分はこういう道が合ってそうだな、この世界について話を聞いてみたいな……という状態ができるのが理想です」

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